安倍内閣の影と陰ー亡国のアベノミクス3-

 今回の選挙に関しては、私には理解できないことが多すぎる。自民党が300議席の予想?って何かの間違いだろうとしか思えない。振り返って、かつての田中内閣が高い支持を集めたときは、私自身は田中内閣を支持しなかったが、支持される理由や、支持する人たちの気持ちは十分理解できた。そこで今回も私なりにこの安倍内閣が2年間に行ったことを振り返ってみることによって、見落としがあるかどうか確認しようと考えた。


 国内政治
まず10日から施行された特定秘密保護法である。
これは「御用新聞」の日経新聞でさえ、懸念を表すほどのひどい代物だ。、権力を持った側がこんな危険な代物を手に入れた場合、どのように変質していくかを予想することは、それほど大した想像力を必要としない。安倍内閣の民主主義とは全く相いれない基本的な姿勢を象徴的に示すものといえよう。


 そして選挙に勝利した場合に続いて起こることは次のようになるだろう。
アメリカの次回選挙での共和党の勝利、ネオコン主導でのイスラム国との戦闘の激化、集団的自衛権の改悪の成果で、戦闘地への自衛隊の派遣。その派遣になじむように、自衛隊法の改悪が行われるだろう。


特に脱走に関する法を、限りなく重くする。そして自衛隊志願者の激減。その対策として志願者を登録する形での徴兵制(半村良のSFの名作(※1)「軍靴の響き(※2)」はリアリティ充分です)の導入。




原発問題
 再稼働に前のめりの様子が伝えられているが、このところ活発に活動しだした火山に対し、どう安全を確保するのかという道筋ははっきりしないままであり、また「想定外」の言葉が出てきそうだ。


またコストが安いという詭弁がよく用いられるが、使用済み核燃料などの廃棄の方法が確立できてない以上、コストを計算することはそもそも不可能ではないのか。


第一その前に「フクシマ」の住民たちへの賠償をきちんと済ますのが、国としての(当然東京電力も含むが、もしかすると東京電力も、欠陥原発を押し付けられたと考えているかもしれない)最低限のモラルだろうと思うが、その交渉の様子が新聞に載ることが最近めっきり減ってしまった(既に特定秘密保護法が発動されているのか?)。時折、あまりに低い賠償額が新聞紙上に載るが、最優先で予算を使うべき場面ではないのか。それともまた自民党のお家芸の「棄民」政策発動なのか。思えば、自民党が残した負の遺産の水俣病や新潟水俣病等々の公害訴訟が和解したのも民主党政権下だった。



 消費税増税と延期について
 全額が社会保障費に当てるとされていたが、結局どうなってしまったのだろうか?どこにもそんな気配すらなく、結局大企業減税の財源に充てられてしまっただけではないのか。



同時に所得税に対する議論も必要だろう。1960~1970年代が「3丁目の夕陽」で古き良き時代として語られるのも、一つは「1億総中流」といわれる国民の一体感があったからではないのか。実はその背景に累進課税があり、8000万以上の所得に対しては何と75%の税が課せられていた。それがそれ以来下がり続け、今では4000万以上45パーセントであり、しかも安倍内閣では所得税の限度額を2億円に設定するという究極の金持ち優遇策を検討中という。これらの案による所得格差が、国民の2分化を起こしていると考えてもあながち間違いとも言えないだろう。、




 経済政策ーアベノミクスー
極端な金融緩和は、結局設備投資には向かわず(一般論として人口減の国に投資をするのは企業活動としては不合理)、極端な円安を招いただけだった。つまり輸入品の高騰を招き、庶民(輸入品を購買する人たち)や中小企業から、輸出で稼げる大企業へ、所得を転嫁しただけだった。



その結果正社員の割合は下がり続け、非正規社員が40パーセントにもなってしまい、また若い人たちの30パーセント以上が年収200万以内という。これでは安心して子供が産みにくいし、少子化はますますデフレを悪化させる。


アベノミクスが株高を生んだという誤解もあるようだが、当ブログ「亡国のアベノミクス2」でふれたように実態は年金基金による買いと、雨乞いをしたら、雨が降ってきたのと同じレベルの話に過ぎない。


そしてここで忘れてならないのが、年金基金が株の購入枠を増やしたことだ。率直に言って、株による運用枠を増やすこと自体は、一概に悪いという性質のものではない。ただしその運用は極めて難しいものになる。なぜなら小さな投資ファンドがある銘柄が順調に目標額に達した場合、単に売ればよい。しかし年金資金のような巨額の運用母体の場合、利食いしようとしても図体が大きすぎるために、売るに売れなくなってしまうのだ。
国民の実質賃金が下がり続けている以上、真の株高が起こるはずもないし、年金基金が新たなリスクをしょい込んだのは間違いないだろう。


 公共事業
 民主党政権時に、「コンクリートから人へ」のスローガンの下、公共事業が減らされた。(なんでも欧米が正しいというものでもないが)欧米の10倍いるといわれた建築業従事者が、(痛みを伴って)転業がある程度進んだところに「フクシマ」にオリンピックにバラマキの公共事業の復活である。人・資材の不足でただでも遅れている震災からの復興事業を、オリンピック招致で足を引っ張り、更に公共事業のバラマキで足を引っ張っている。同時に産業構造転換の時計の針を10年巻き戻してしまった。



外交
TPPは日本の食を、アメリカのグローバル企業に差し出す手段であるが、安倍自民が選挙で勝利すると交渉が加速化し、つまり日本の農業等が崩壊するのも秒読みというわけだ。


また、個人的には対外関係で、現在の日本にとって重要な国に順位をつけると
1、アメリカ      2、中国      3、韓国

になると思う。安倍首相はそのどの国の代表とも、歴史修正主義者であるとして、まともに相手にしてもらえない。せいぜい、発展途上国にやたらと行って、貴重な税金を散々ばら撒いて歓待され、良い気になって戻って来ただけだ。



 
選挙に至る経緯
殆ど必然性のない選挙のために、700億円が無駄に使われ、また突然だったために、迷惑を蒙った行事や団体は数知れない。(実は争点になることは沢山あるが)こういうわかりやすい非常識は票を減らす大きな一因になると思うのだが、どうもそうはなっていないらしい。どうも納得がいかない。



以上私なりにこの2年間を振り返ってみても、安倍政権の良いところというのは、私の無知もあるのだろうが1つも思いつかない。だから慣用句としてこのブログ名を「光と影」にしようにもできなかったのである。まして選挙で、自民党が圧勝するというのがどうしても理解できないままなのである。



※1、SFはリアリティの与え方に、物足りなさを感じる作品が多く、あまり読まなくなりました。その中で例外が半村良。何しろ「雨宿り」で水商売の中での男女の機微を描き切った作家だから、SFを扱っても巧い、巧い。

もう一人が、ジェラシックパークで有名なマイケル・クライトン。この人も巧かった。

※2、無理やりの徴兵制ではない。徴兵名簿に「自主的に」登録すると、現在学割が使えるように、映画館の入場料金が割引になったり、様々な特典が受けられる。極め付きが、企業が新人を採用する際、何割かを登録者から採用するよう義務付けられる。
 如何にも今の政府ならやりそうで、怖いでしょう。 

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 8

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い
ナイス ナイス

この記事へのコメント

2014年12月14日 00:26
全く同感です!!!
タンバリンをジャンジャン鳴らしましたよ。
どうなっているの?国会は?国民が全く見えないのね。

今日は恒例の「元禄祭り」に出かけましたが、去年より安いのでびっくり。お店の人が「安部のせいでお客さんが買わなくなっているので、安くしないとだめなんだよ。で・・・困ったよ」そうですよね。多くの庶民の実感はこうですよ。今年は期日前投票にも多くの人が来たのでは。
2014年12月15日 13:34
馬の骨さんのご意見に賛成です。
ですが・・・・選挙の結果が出ましたね、ほぼマスコミが予想した通りの結果になりました。
馬の骨さんや私と同じように国民も考えていたら、このような結果にならなかったはずです。
若い世代を中心とした多くの低所得者層が、政治に対する希望を失って仕舞い、投票所に向かわなかったからだと思います。
それこそ安倍政権の思うつぼ、安倍氏は「してやったり!!」の気持ちでしょうね。
これから安倍政権が打ち出す政策は、国民にとって非常に危険なものばかりになると思います。
こうなった以上、意識のある者たちはせめて、世論調査に政権への反意を示していかなければならないと思います。
国会に対するデモも必要かもしれませんね。
政治や政党に頼らず、国民の声を直接世論に訴え続けて、政権に圧力をかけ続けなければならないということです。
2014年12月16日 11:57
ののはなさん
やはり、私はマスコミの劣化ということを強く感じずにはいられません。少なくとも以前のマスコミなら、各党の論点を整理して、争点を作る一助となるような、編集の仕方をしていたように思います。
それが、今や、読売・朝日・日経の記者は高額所得者になってしまったせいか、庶民の視点を全く失ってしまったようで、各党の主張が似通っていて争点になりにくいと、逃げてばかりいます。
2014年12月16日 12:12
あきさん
本当に、選挙が終わってしまうと我々にできることは、限られてきてしまいますが、何とかしてこの危険な内閣を少しでも早く倒したいものです。
ブルドッグ
2015年05月29日 19:24
はじめまして。勉強になる記事ありがとうございます。私自身、政治経済などなどようやくこの歳(馬の骨さんの半分程度かと思われます)になって少し興味がでてきた程度ですが、コメントをさせていただきました。確かに安倍政権の印象はしばし物事の取り決めに関し強引なイメージが強く私自身本当にだいじょうぶなのかなと感じることが多く、無知の為か反対とは思わないが良い印象はありません。ただ一ついいね!と感じるところがあります。対外国(特に中韓)に対して以前よりはっきりした姿勢が取れるようになったのではないかと感じます。今まで曖昧、大人ぶる、弱気な態度が原因で国益を損なった事例もあるかと思います。それが言えるようになって良い部分が出てくることもある気がします。私のような政治経済素人から見て“おっなんかまともに反論してるじゃん日本”なんか気持ちいいと感じてしまいます。こういう私のような人々を利用して安倍政権は強引な取り決めなどを推進している気もしますが、、、くちゃくちゃなコメントですいませんでした。

この記事へのトラックバック